「鈴木さん、先行きが見えませんけど、とにかく日付だけでも決めましょうよ」

佐助カフェオーナーの島崎さんに、そう提案されたのはコロナ禍が加速する直前の3月26日。翌々日に予定していたものの延期を決めた「カマゾウコーヒーミーティング2020@佐助カフェ」を今後どうするか、話し合っていた席でのことでした。

ちょうどイベントなどの中止や延期が相次ぎ、あらゆる施設が門を閉ざし始めたころ。全てがネガティブに傾いていく中でしたが、「先を見据えて少しでも前へ、何かアクションを起こしたい」という思いは一致していました。

そうしていくためにも「日付だけでも決めましょう」と背中を押され、手帳の6月21日(日)にチェックを入れたものです。

 

 

中止なのに会員さんの姿があふれた

3月28日(日)。当初コーヒーミーティングが予定されていたその日の佐助カフェには、たくさんの会員さんとそのご家族らの姿がありました。

イベントが直前でキャンセルになり、仕入れたであろう食材などのことを心配して「その消費に一役」と笑顔でランチを注文する方、一度出て散策をした後に帰ってきて再びドリンクを飲んでいる方も。通常営業中の佐助カフェさんに、28人もの会員さんが来店してくれたのです。

「本当は行きたいんですが」

「気持ちだけ行きます」

とメッセージをくださった会員さんもたくさん。皆さんの気持ちがうれしかった、幻の開催日になりました。

ただ多くの会員さんたちとは、このとき以来ずっと会えなくなってしまうのです。

 

 

■休業そして再開

4月に入り緊急事態宣言が「発出」(←国民には聞き慣れないお役所言葉だったそう)され、超3密が売りのカマゾウも2週目から6月初旬まで休業することになります。

感染予防の対策をとって再開すると、徐々に来室者が増えてきました。でも、コロナ禍前までは多かった土日の来室者数が落ち込むようになったのです。もともと土日は市外在住の会員さんの来室も多かったことから、皆さんがまだまだ「遠出」や「県境をまたいで」の外出は自粛しているという証でした。

 


■参加申し込みは静かにスタート

そんな中、島崎さんと決めた6月21日が近づいてきました。

世の中はまだまだ自粛傾向にあります。参加者を募ったものの、申し込み数に伸びがありません。3月開催予定だった際には早い段階で50人を超え、最終的に60人もの方が申し込んでくれていたのですが・・・。

「ふだん会わない会員さんとたくさん挨拶してたくさんお話をする」がテーマだったはずが、今回は当日のマスク着用や密回避などをお願いするほか、盛り上がり予防策としてアルコール類の提供も行わないという条件付き。そもそも「不要不急」のイベントなので、前回ほどの申し込み数は期待していなかったのも事実ではあります。

目標は30人程度、最大で40人集まればと考え、応募喚起も抑えていました。


■絶妙のタイミングで迎える
開催日3日前の6月19日、ついに都道府県境をまたいでの移動が解禁されました。
振り返れば、この日に決めたのは緊急事態宣言が発出される前の3月。
予測していたかのようなタイミングで、最後は申し込み者数も50に届きそうな勢いに。


鎌倉は朝から土砂降り
「鎌倉や横浜方面に黒いカーテンが掛かっているようでしたよ」
と市境を超えて参加した会員さんが話した通り、鎌倉は朝から強い雨が降っていました。

ところが佐助カフェに荷物を搬入する10時半ごろには小雨になり、銭洗弁天や葛原が岡神社などに向かう観光客の姿がひっきりなしに。まるで自粛前に戻ったような人手でした。

 

そして、コーヒーミーティングスタートの13時。受付には一人、二人と会員さんの姿が。
全く密にならずに、いい感じでスタートを切りました。

 


■やっぱりうれしいリアルでの再会

あちこちから「久しぶりー」「あっ、はじめましてですよね」という声が聞こえてきます。もちろん皆さん、マスク越し。

 

「はじめまして」のあと、一瞬マスクをはずして顔を見せ合う二人も。

 

「あのとき以来ですよね」と、最初に予定していた3月28日を一緒に振り返る会員さんもいました。

 

佐助カフェさんがこの日のために用意してくださったフードとドリンクのセットを味わいながら、適度な密(カマゾウディスタンス)で、笑顔があふれました。

*どなたかフードやドリンクの写真を提供ください。撮り忘れました(笑)

 

すっかり雨が上がり大窓を開放、テラス席やエントランスでもゆっくり楽しむ姿が印象的。前を行き来する観光客も、何の集いなのかと不思議そうな顔で過ぎて行きます。

 

会員さんが持ち寄ったそれぞれの作品等の展示即売やA4ペライチ自己PRを眺めたり、それぞれが説明し合ったり、壁に貼ったチェキの写真を見たり、奥の部屋でカマゾウ関連動画の上映を見たり。

 

来店者はどんどん増えていきましたが、一人一人が融通し合い、思いやりながら超密にならずに過ごせたのは、やっぱりカマゾウ会員さんならでは!だと思いました。

 

 

■さあ、前へ

(最後にいらっしゃった方で記念撮影を。このときばかりはマスクをはずして密で!)

 

 

コロナ禍でまだまだ歯がゆい生活が続く中、絶妙のタイミングで開催できた「カマゾウコーヒーミーティング2020」は、みんなで前へ進むきっかけになったような気がします。

これからも油断することなく、

でも少しずつ楽しく毎日を送れるように歩き出したいですね。

そして「STAY HOME」から「STAY カマゾウ」「STAY 佐助カフェ」を日常に。

 

 

■最後に

店内利用も再開し、地元のお客さまをはじめたくさんの観光客の来店も期待された日だというのに、カマゾウのために貸し切りにしてくださった佐助カフェさん。そしていつも気持ち良く対応してくださるスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

島崎さんのお申し出で、追加のドリンク代は全てカマゾウへの寄付(しあわせ募金)に充ててくださいました。心より感謝です。

参加費を払った上で、その寄付をしてくださった参加者の皆さん、朝からをはじめ開催時間中も帰りの荷物運びなどもお手伝いくださった皆さん、ありがとうございました。開催中も皆さんには常にいろいろお気遣いいただきました。
本当にうれしかったです。

参加したかったのにできなかったという皆さん、遠くで見守ってくださった皆さんもありがとうございます。

それから、そもそもの言い出しっぺで「佐助カフェさんでやろうよ」と提案してくださった小泉さんにもあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

■次は花火開会?
イベントといえば花火大会も中止ですよね(もともとオリンピックの影響で中止)。でも、カマゾウでは3年連続で、花火大会に合わせてビーチゴーミングをやってきました(ゴミを「拾う」のではなく、終わった瞬間から周囲の観客からゴミを「集める」イベント)。やっぱり続けたいので今年は勝手にやります。もちろんルールを遵守して、カマゾウらしいスタイルで。

中止、延期ばかりでいいのか!やっぱり楽しめる何かをやろう!
というわけでもうすぐ発表しますよ。こちらも乞うご期待!

 

掲載したほとんどの写真は佐久間芳之さんに撮影していただいたものです。いつもありがとうございます。